講談社の雑誌モーニング月例賞2020年7月期佳作受賞作品「だんしゃり」小野寺こころ著を読んだ。
思いっきり心に入ってきた。
スゴイ作品だと思う。
ストレートで重いけど、良い作品だ。
だんしゃり(断捨離)というから何を捨てるのだろうかと思いながら読み進めた。
「捨てられるのが嫌なら、自分で全部捨ててしまえ」という父親のセリフで、物語の方向性を察しつつ読んだ。
子どもと親の関係は、子どもの成長とともに、対等な関係へと近い付いていく。
その関係は、当然、日常的に進行し、均衡を失ったとき何か起きて表面化し初めて親が気付く。
そして、子どもは、幸せになるために、去っていく(断捨離を決行する)。
そんな感想を持ったストーリーでした。
僕は、今40歳代だが、似たような家族は、いくつか聞いたことがある。
だから、もしかしたらこれは、自然ことなのかもしれない。
ただ、20歳代でこのような「親離れ」をできた人は、今、新たな家族もでき、時間の流れが薬となり、親との関係も再構築できつつあるようだが、30歳代後半以降の歳を重ねた人で、この状態に気付いた人は、残された時間も少なくどうしたものかと思ってしまう。他人事ではあるけれど、漫然と時の流れに任せるのもどうかと思ってしまう。
たとえ家族でも、自分の心に合わなければ、距離を取ったほうが良いのだろうなと思ってしまった。
自己決定して行動しないと幸せもやってこないのだろうなと思ってしまっている。