リクルート社の創業者である江副浩正の生涯について書かれた本。
僕にとって、彼は、昭和から平成に代わる頃、消費税が導入された竹下内閣のときに、リクルート事件に関与して世間を騒がせ国会で証人喚問までされたことくらいしか知識がなかった。
この本を読んで、彼が「日本のカーネギー」で、カーネギーの墓碑銘にある「自分よりも優れた者に働いてもらう方法を知っている男」のような方でなんだそうで、とにかく人を働かすことが天才的だということが書かれていることや、彼の「自ら機会を創り出し、自らを変えよ」という言葉が印象に残った。
また、経団連の大物から「虚業」と言われたことなどは、なんとなくわかる気がした。なんだかんだ言ったて、他人を巧みに操っているんですからね。それがマネジメントと言われれば、そうなんだろうけど、心に引っ掛かりました。
後半は、リクルート事件について書かれており、当時の慣習からして罪に問われることについては疑問があるようなことも書かれているが、僕としては、現行のとおり有罪だと思う。
読んでいて何となく感じたのが、会社がある程度大きくなってからの傲慢さというか、謙虚さの無さで「届かなくなった野菜」の行では、妻の意見に全く耳を傾けなくなっているようだ。これが後々の組織的が暴走を生み、事件や、会社が1兆8000億円という借金を負うことになったのだと感じました。結局、事件では、本人の逮捕もそうだが、関わった者も酷い目にあっている。
創業者メンバー2人も自己破産の憂き目にあっているようだし、会社が背負わされた借金を返済すべく働いた社員の方も散々だったろうなと思う。
光もあったけど、大きく影を落とした。
そんな人物をいささか大げさとも感じられる内容で書かれている内容でした。
功罪、半分半分といったところですかね。