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映画「Winny」を鑑賞した

 随分前になるんだけど(5月)、映画「Winny」を鑑賞した。
 ファイル交換ソフトWinny開発者である金子勇(故人)氏が、そのプログラムを掲示板に公開したら拡散し、悪意ある者が作成したコンピュータウイルスと相まったりして、官公庁、企業、個人のパソコンから情報が漏洩(抜き取られた)し、社会問題化した。
 僕は、その当時もネットに親しんでおり、猥褻画像が出回りネット掲示板では大騒ぎしていた覚えがあるし、人間が持つであろう暗部というか、本性というか本能というか、そんなものを垣間見た感じがした覚えがある。

 その社会問題化させた「罪」として金子氏が逮捕、起訴され、無罪判決を得るまでの実話を基にした映画作品でした。
 見終わた直後は、主人公の金子氏を演じる東出昌大の演技もよかったこともあり、率直に面白く「新たな技術や開発の芽を摘む日本社会はダメだよなぁ」なんて思ってしまった。

 それとは別に、心にモヤモヤしたものを感じぜずにはいられなかった。
 なぜかと整理すると、Winnyを介して不幸な目に会ってしまい恐らくは今も引きずっている者がいる可能性があること。また、警察の裏金問題も扱われていたが、これについては、当時のメディア報道から受けた印象では、警察がしたことはいわゆる「必要悪」的な側面もあり、内部の職員に対しては法的には悪しき状況にはあるが、捜査活動の進展という点において、一般の人々には、有益に作用したと思われる点もあり、この作品で扱われるのに違和感があったこと。なんだと思う。
 それから、裁判においても7年間にわたり最高裁までいって逆転して勝ち取っていることからしても、世間の価値観の変化や法解釈で揺れ動いたように思われ、キャッチフレーズ的に使われた「殺人に使われた包丁をつくった職員は逮捕されるか。」は、僕の心には響かなかった。

 なんというか、この事件は、誰が悪いとかという問題ではなくて、革新的な技術が世間に出て、それが人々の心を扇動し社会的に問題を及ぼしているとき、技術開発の芽を摘みことなく、社会としてどのように関わっていくかが問われたように思える。

 個人的には、今回の事件については、金子氏を一時的に強制的に任官させ、警察組織に組み込み、取り締まる側に回るようにできたらよかったのではと思ってしまう(飛躍しすぎか・・・)。